統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.9 正規分布とその周辺:3σルールの意味と限界)
はじめに # 品質管理における統計の代表的なキーワードに「±3σ(スリーシグマ)」があります。 これは 「正規分布」を前提 として、データのばらつきをどこまで許容するかを示すルールであり、異常検知や工程管理の現場で頻繁に登場します。 しかし「正規分布であれば...」という前提がそもそも怪しい場合も少なくありません。 「統計の話をしようじゃないか」第9回では、3σルールの意味とその限界、正規分布に近似できない現場データへの対応について解説していきます...
記事を読む「問題」と「課題」の違いから始めよう ― 新人プロジェクトマネージャー向け:はじめての課題管理ガイド
はじめに # 「なんとなくプロジェクトがうまく回っていないように思える…」 「トラブル発生、でも何から手をつければいいかわからない…」 「会議で“問題点は何でしょうか”って聞かれたけど、うまく言葉にできない…」 新人プロジェクトマネージャー(PM)の皆さん、こんな悩みを抱えていないでしょうか。 プロジェクトに問題はつきものです。 そんなとき、ベテランPMがよく言う「問題を課題に落とし込もう」という言葉。 しかし、「問題」と「課題」は何が違うのでしょうか...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.8 確率の直感と計算:「偶然」の正体を知る)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第8回では、「確率」の直感的な捉え方と基本的な計算方法、そして品質管理の現場で役立つ確率分布について解説します。 「なぜそんなバグが?」 「たまたまテストで見つからなかっただけでは?」 ――そんな“偶然”の現象を、科学的に扱うためのツールが「確率」です...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.7 PythonとExcelで描く統計グラフ入門)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第7回では、実務で使えるグラフの描き方を紹介します。 これまで紹介してきた「代表値」「ばらつき」「分布の形」などは、視覚的に示してこそ価値があるものです。 今回は、現場でもよく使われるPython(matplotlib/pandas)とExcelの2通りで、次のような統計グラフを実際に描いてみましょう...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.6 実務に効くグラフの正しい使い分け)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第6回では、実務におけるグラフの使い分けをテーマに扱います。 データを相手に“伝える”場面では、グラフの使い方が極めて重要です。 どんなに分析が正しくても、グラフの選び方や描き方を誤ると、誤解や不信感を招くことにもなりかねません。 今回は、実務で頻出する以下の6つの基本グラフについて、使い分けのポイントを整理します...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.5 形状を知る:歪度・尖度と分布のクセ)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第5回では、データの「形」に着目します。 これまでに代表値やばらつきを見てきましたが、分布の形状そのものに注目することで、データの本質がより明確になります。 今回は以下の2つの指標を中心に紹介します: 歪度(Skewness)… 分布の“非対称性” 尖度(Kurtosis)… 分布の“とがり具合”や“尾の重さ” 品質管理においても、「正規分布であること」を前提に統計的な管理や判断が行われる場面が多いため、非正規分布を見抜く力が求められます...
記事を読むOpenAI APIに新しく追加されたツールを使う 〜 リモートMCP・画像生成・コードインタープリター 〜
つい先月ですが、OpenAIのAPIに新しい組み込みツールの追加が発表されました...
記事を読むGemini Code Assistで15パズルを作ろう
はじめに # アジャイルグループの石田です。今回はアジャイルやスクラムといったテーマから少し離れて、生成AIについてお話しします。 Googleが提供するGemini Code Assistは、生成AIを用いたコーディング支援ツールの1つです。2025年2月以降、個人向けの無料版が提供されており、コード補完は1日6,000件、チャットリクエストは1日240件まで利用できます。個人開発で使うには十分すぎるほどの利用制限で、非常に魅力的です...
記事を読むTerraformのデータソースを活用しよう!
はじめに # 豆蔵社内で開発・運用している営業支援システム(Sales Support System)(以下、SSS)の開発の IaC 実装で利用した Terraform データソース[1]について紹介します。 また、Terraform のimportでに既存リソースを IaC 化するのはハードルが高いですが、データソースを使って既存リソース情報を Terraform で使えるようにし、徐々に IaC 化を進めるポイントをご紹介します...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.4 ばらつきの把握:分散・標準偏差・レンジ)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第4回は、ばらつきの把握をテーマにお話しします。 品質データに限らず、あらゆる実測データは多かれ少なかれ、ばらつきを含んでいます。 平均値や中央値といった代表値だけでは、分布の広がり(散らばり)が見えず、誤った解釈につながることもあります...
記事を読むCCPMツール編:現場で動く!スプレッドシート×Apps Scriptで“本物のCCPM”を回す方法
はじめに # 前回の記事「CCPM実践編」では、CCPMによる現場変革の効果を紹介しました。 今回はその裏側、どうやって現実的なCCPMスケジュールを作のかについてツールを交えて紹介します。 1. 背景:なぜ専用ツールではなく、スプレッドシート+GASなのか? # CCPM対応の商用ツールは、たしかに強力ですが、現場に導入しようとすると以下のような壁にぶつかります...
記事を読むUMLspecification ver.2.5.1に基づくUseCaseの概念的理解
UMLユースケース図の深層理解:UseCaseを概念から読み解く # 1. はじめに:なぜ今、UMLユースケース図の概念を深掘りするのか # システム開発プロジェクトにおいて、UMLを用いたモデリングは、要件定義から設計、実装に至る各フェーズで極めて重要な役割を担います。 特に、ステークホルダー間の共通理解形成や機能要件の明確化において、UseCaseを用いるのは非常に効果的です...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.3 代表値の使い分け:平均・中央値・最頻値)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第3回は、「代表値の使い分け」についてお話しします。 世の中にはデータが溢れています。 「データの中心って、どう表せばいいのか?」 統計の最も基本的な問いの一つがこれです。 品質データを扱うとき、よく「平均値」が使われますが、それだけで本当に適切な判断ができているでしょうか? 実は、「平均・中央値・最頻値」はそれぞれ違った特徴を持っており、使い方を間違えると誤解を招く恐れもあります...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.2 データとの正しい向き合い方)
はじめに # 「統計の話をしようじゃないか」第2回は、統計を扱う前提となる「データそのもの」との向き合い方についてお話しします。 どれだけ立派な分析手法を使っても、元となるデータが適切でなければ意味がありません...
記事を読む統計の話をしようじゃないか - ソフトウェア品質のための統計入門(No.1 統計って何? ソフトウェア品質になぜ必要?)
はじめに # あるIT企業のとある部門。 部長(品質保証):「先日のリリース、バグがやけに多かった気がするんだけど、どうなんだ?」 開発リーダー:「そうですね…たしかにちょっと多かったかも、って印象はあります」 部長:「“印象”ねぇ…数字ではどうなってる?」 開発リーダー:「え、ええっと…」 部長:「それと、先月追加したテスト、あれ効果出てる? 不具合減った?」 メンバー:「体感では減ってる気はしますが…はっきりとは…」 こんな会話、IT企業の現場では珍しくありません...
記事を読むCCPM実践編:バッファ半減でも納期厳守!クリティカルチェーンで現場が変わる
はじめに # 前回の記事「CCPM理論編」では、CCPM(Critical Chain Project Management)の基盤となるTOC(制約理論)について解説しました。 CCPMは、タスクごとのバッファを集約して全体で管理し、制約リソースを最大限活用することで、プロジェクトの納期短縮とスループットの向上を目指すプロジェクト管理手法です。 個々のタスクに潜む「隠れたバッファ」を見える化し、プロジェクト全体で最適に活用することで、より現実的で信頼性の高いスケジュール作成を可能にします...
記事を読む「Rust × ESP32」で始める組み込み開発:Lチカまでの完全セットアップガイド
以前、WindowsでRust開発環境を作ってみる(VSCode+BuildTools+rustup)という記事を書きました。 記事の最後に「ESP32まわりの問題が片付いたら、次回の記事で報告したいと思います」と言い残し、随分と時間が経ってしまいました。 今回は、RustとESP32による開発環境を構築できたため、その手順を詳しく紹介します。 主に、こことか、ここを参考にしました。 はじめに # 開発環境は以下を使用します...
記事を読むIoT を使ってみる(その20:MicroPythonで始めるESP32プログラミング「超」入門)
はじめに # この「IoTを使ってみる」シリーズでは主に PlatformIO や ESP-IDF という開発環境を使ってきました。 VSCodeを使えば開発がかなり楽になるとはいえ、中には C/C++言語よりももっとサクサク開発したいと思った方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は ESP32上に MicroPython という扱いやすい軽量Python実装を導入して、プログラム開発する方法をやさしくご紹介します...
記事を読むElectron アプリから macOS Apple Intelligence の Writing Tools を使う
はじめに # 先月末に Electron 36.0.0 がリリースされました。 Electron 36.0.0 | Electron 目玉機能として macOS の Apple Intelligence の Writing Tools をコンテキストメニュー経由で使用できるようになりました...
記事を読むJavaでもローカル環境でWhisperを使って音声データ書き起こしをしたい
はじめに # 音声データを文字起こししたいというニーズは多くの場面で存在します。OpenAIがOSSで提供する Whisper は高精度な音声認識モデルとして注目を集めており、Python環境では比較的手軽に利用できます。しかし、業務や既存システムの都合でJava環境からWhisperを使いたいというケースもあるのではないでしょうか。 私自身、Javaベースのプロジェクトで音声データの書き起こしを行いたい場面があり、WhisperをなんとかJavaから使えないかと模索しました...
記事を読む