品質保証者の憂鬱「SLOCの深淵を覗く:ソース行数計測の「なぜ?」を徹底解剖」
ソフトウェア開発プロジェクトに参加したことがある人であれば、プロジェクトの中で色々なメトリクス(ソフトウェアを定量的に測るための指標)を収集した経験があるのではないでしょうか? メトリクスは工数だったり、工期だったり、規模、欠陥数、などなど様々だと思います。 今回はメトリクスの中でも特に「規模」についてちょっと考えるところがあり、改めて「ソフトウェア規模とは?」について深掘り(重箱の隅を絨毯爆撃)したいと思います...
記事を読む品質保証者の憂鬱「IPA書籍・刊行物探訪 ソフトウェア開発データ白書 その2」
前回に引き続き、IPAが発行する「ソフトウェア開発データ白書」の中身を探っていきましょう。 年版ごとの特徴 # IPAのソフトウェア開発データ白書は2005年版から2018-2019年版まで発行されています。 これだけ長期に渡ってデータを収集しているのですから、収集している途中で分析の方針とか、収集データの変更などが発生していると思います。 データ白書の冒頭に、上記に対する答えが掲載されています...
記事を読む品質保証者の憂鬱「IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)書籍・刊行物探訪 - ソフトウェア開発データ白書 その1」
IPA(アイ・ピー・エー)は「独立行政法人情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan)」の略称です。 日本のIT分野の発展を目的とした独立行政法人です。 (会社・組織によってはIPAを「アイ・パ」と発音するところもあるようです) 仕事柄、ソフトウェア品質関連の資料を読む機会が多く、IPAから発行されている書籍・刊行物にはよくお世話になっています。 以降、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のことは単に「IPA」と表記します...
記事を読む品質保証者の憂鬱「そこのあなた、無闇にメトリクスを増やしていませんか?」
この記事は夏のリレー連載2023第9日目の記事です。 いやぁ、本当に毎日暑いですね。 なので今回はちょっとゾッとする(肝が冷えるかどうかは別ですが)話をしたいと思います。 「エビデンスを見せろ」と詰められる # 前回はトム・デマルコ氏による「計測できないものは制御できない」について筆者の思うところを語りました。 筆者はソフトウェア開発現場で長い期間にわたり品質管理・品質保証の仕事に従事してまいりました...
記事を読む品質保証者の憂鬱「計測できないものは制御できないは本当か?」
前回の投稿から1か月以上も期間があいてしまいました。 少し時間が取れるようになってきたので、今回もソフトウェア品質について少し語っていきたいと思います。 「計測できないものは制御できない」 # ソフトウェア開発業界に限らず、何らかの開発作業に従事している人であれば次の言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。 計測できないものは制御できない この言葉は1982年にトム・デマルコ氏によって語られました...
記事を読む品質保証者の憂鬱「鉄釘から始まる人間論」
4月、5月はプライベートがかなり忙しく、前回の投稿から1か月ほど期間があいてしまいました。 今回は少し軽いお話(テーマは重い)をしたいと思います。 デスマーチでリタイヤ者続出 # 私は長くソフトウェア開発の仕事をしてきましたが、製品・サービスを納期通りにリリースできたプロジェクトの数は片手で数えても余ります。 納期通りに製品・サービスをリリースできなかった原因は様々です。 そもそも見積もりが甘い。 技術要素を詰めきれていない。 人材が足りない。 そもそもスキルがない...
記事を読む品質保証者の憂鬱「あなたを見込んでご相談したいのです」
前回は「制限事項」と「注意事項」の違いについて考えてみました。 今回は理屈ではうまく説明できない”感情”についてのお話をしたいと思います。 犬猿の仲とはよく言ったもので # 筆者は長い間、開発部門と品質保証部門に在籍していました。 私が仕事で関係した人たちの間では、開発部門と品質保証部門の関係を「犬猿の仲」と揶揄することが多くありました。 誰も望んで「犬猿の仲」なっているわけではないと思うのですが、両者の関係が拗れると、それを元の関係に修復するのはかなり難しいです...
記事を読む品質保証者の憂鬱「制限事項 VS 注意事項」
前回は「管理」と「保証」の違いについて考えてみました。 今回は開発部門と品質保証部門、さらにマーケット部門、営業部門、調整部門などを巻き込んで日夜展開される「制限事項 VS 注意事項」をお話したいと思います。 出荷前夜 # 製品・サービスの開発が順調に進んでいて、開発部門から「最終チェックも終わるし、”大体”OKなんじゃね?」って声が出てきて、さらに品質保証部門としても「指摘は”ほぼ”是正されたし、弊社の定める品質基準も”ほぼ”クリアになったんじゃね?」となったとします...
記事を読む品質保証者の憂鬱「管理か保証かそれが問題だ」
前回の投稿から随分と時間が空いてしまいました。 申し訳ありません。 前回は”品質”と品質保証部、その役割と課題などについて述べさせていただきました。 今回は”品質”というワードで必ず登場する”品質管理”と”品質保証”について、筆者の思うところを述べてみたいと思います。 新参者の品質保証者の悩み # 筆者が開発部門から品質保証部門に異動して間もない頃、品質保証部門は品質保証部員を、開発部門が開催するもろもろの会議(レビュー会議、進捗会議、フェーズ移行提案会議などなど)に積極的に送り込んでいました...
記事を読む品質保証者の憂鬱「負のループを断ち切る」
筆者はこれまで35年ほどソフトウェア開発関係の仕事に従事してきました。 35年間の内訳は 25年間:ソフトウェア開発者(後半の数年は開発&品証の二足のわらじ) 10年間:ソフトウェア品質保証者 としてです。 社会人になったばかりの頃はソフトウェア開発部門に配属されました。 それ以降、ずっとソフトウェア開発を生業にしていこうと思っていたのですが、ある時先輩社員から「ソフトウェア品質」について熱く語られ、”ソフトウェア品質って面白いな”と考えるようになりました...
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