UMTP認定 L1~L3まで受験したのでまとめます
これは、豆蔵デベロッパーサイトアドベントカレンダー2023第11日目の記事です。
はじめに
#1年ぶりの白谷です。
中途入社1年目の2022年にAWS認定12冠達成し、軽く燃え尽きていましたが、豆蔵で必須スキルのモデリング技術が身についていないことに危機感を覚え、モデリングの勉強を兼ねてUMTP認定に挑戦しました。
受験のための準備などをまとめます。
UMTP認定とは
#UMTP認定試験は特定非営利活動法人UMLモデリング推進協議会(UMTP)が運営するUMLのモデリングスキルについての認定試験になります。
L1からL4までの分類があり、レベルに応じて必要とされる知識体系とスキルセットがまとめられています。公式サイト参照
レベル | モデリングスキル | 説明 |
---|---|---|
L4 | 実践に基づいてモデリングを指導できる | ・L3のスキルを有し、開発プロジェクトでモデリングを一定数あるいは期間実践した経験を持つ |
L3 | 実務でモデリングが実践できる | ・拡張性や変更容易性の点で高品質なモデルを定義できる ・ビジネスモデリング、分析、アーキテクチャ設計、組み込み開発を行うための専門的な知識を備えている(分野は選択) |
L2 | UMLモデルの読み書きが普通にできる(モデリングリテラシーがある) | ・開発範囲の一部を担当し、モデリングができる ・他者のモデルの意味を理解できる |
L1 | 簡単なUMLモデルの意味が分かる | ・UMLなどを使ってモデリングを行う最低限の知識を持っている |
L2~L4の認定には下位レベルの認定が必要でしたが、今後は下位レベルの認定は不要になると発表されました。
認定書電子化と合格/認定の考え方変更のお知らせ
ピアソンVUEで受験申込をしましたが、ユーザー登録の際に日本語氏名を入力し忘れたためか、認定書送付のための日本語住所を登録できず、ピアソンVUEに問合せしました。
氏名変更には本人確認書類(免許証など)の画像を送付で対応してもらえます。
ただし、認定書が電子化されるようなので、日本語住所は不要になるかもしれません。
認定書電子化と合格/認定の考え方変更のお知らせ
UMTP Level 1
#以下のスキルレベルを問う試験になります。L1試験
- UMLなどを使ってモデリングを行う最低限の知識を持っている。
- UMLを使ったOOモデリング初級スキル・知識、OO反復型開発プロセスの入門的スキル・知識を問います。
試験はCBTで80分30問選択式です。UMLの基礎が分かれば問題ないと思います。
私はUMLの基礎すらなかったので、UMLモデリング技能認定試験L1対策セミナーを視聴し、「UMLモデリング技能認定試験 入門レベル(L1)問題集」を一通り勉強して臨みました。
結果は96%(80%が合格ライン)でした。
「UMLモデリング技能認定試験 入門レベル(L1)問題集」では「L1-T1(基礎知識)」、「L1-T2(モデリング初級)」
の二つの試験が記載されていますが、現在はL1-T1は実施されておらず、L1-T2がL1試験になります。
UMTP Level 2
#以下のスキルレベルを問う試験になります。L2試験
- UMLモデルの読み書きが普通にできる。
- 開発範囲の一部を担当し、モデリングができ、他者のモデルの意味を理解できる。
試験はCBTで85分15問(複数の設問に分かれているものもあるため、実際には22~24問)複数選択式です。
L2試験の勉強も参考書を探しはしましたが、ほとんど販売終了のものが多く、唯一手に入った「「徹底攻略 UMLモデリング技能認定試験L2対応 問題集」を一通り解いて試験には臨みました。
結果は81%(65%が合格ライン)でした。
前職ではUMLを使わずにプロジェクトごとのルールに則った表記法で書いてきましたが、問題と解きながら「UMLを使ってこう書けばよかった」、「この図を使えばもっと表現しやすくなる」など過去の設計に当てはめてみることで理解が進んだと思います。
UMTP Level 3
#以下のスキルレベルを問う試験になります。L3試験
- 実務において有効なモデリングが実施できるとともに、他人の作成したモデルをきちんとレビューできる。
- 拡張性や変更容易性などの点で高品質なモデルを定義できる。
- ビジネスモデリング、要求分析、アーキテクチャ設計、組み込み開発等を行うためのいずれかの専門的な知識を備えている。
試験はCBTで120分、モデリング文章題3問(複数の設問に分かれているものもあるため、実際には10問程度)と基礎知識を問う選択問題5問です。
L3試験に関しては、2022年12月から新方式の試験となっていて、自分のPCで受験する方式でした。
この新方式についてはネットで情報収集をしても古い情報ばかりで参考になる情報がなく、申込後いつ受験できるのかがわからないなど、少し戸惑いました。
どうすべきかと悩んでいるときに、申込みに必要なL2認定番号が記載された認定書が届いたので、とりあえず申込みしてみました。流れは次のようになりました。
- 受験環境設を参照し、動作確認を行う
- 申込フォームへ行き、必要事項を入力する
- 「L3試験お支払いページ」へのリンク付きのメールが届くので、支払いを済ませる
- 支払後に領収書のメールが届く
- 「L3試験受験ID」が記載されたメールが届く(おそらく翌日)
- このメールに「L3受験手順にしたがって、1ヶ月以内に受験をお願いいたします。」と記載がある
- 受験手順に従い受験する
ということで、申込後1ヶ月以内に受験しなくてはならないという状況になりました。
L3試験に関しては参考書等はなく、公式のサンプル問題4問だけが頼りです。
L2試験の勉強は問題集を解いただけだったので、モデリングの進め方などの知識をインプットしたく、「UMLモデリングL2[第2版]」を中古で見つけ、急いで購入しました。
また、UMTP認定試験とは直接関係はないですが、以下の本が参考になりました。
一通り知識のインプットができたところで、どこで受験するかを考えたところ、子供が寝静まった休日の夜中が最適と考え、日跨ぎで受験しました。
結果は78%(77%が合格ライン)とギリギリでした。スコアは試験終了時に表示され、翌日朝にスコアが記載されたPDFが届きました。
まとめ
#L1を受験してからL3を受験するまでの期間が37日でした。相変わらず長期的な勉強が苦手でせっかちな性格だなと反省しています。
L3の結果がギリギリだったことを考えると、まだまだ場数を踏んで経験値を増やしていく必要があるなと思い知らされました。
ですが、UML表記を覚えたことで、いろんな利点がありました。
- 今までどうやって表現しようかと悩んでいた場面でUMLを使えば簡単に表現できる
- 自分の頭の中の整理のためにアウトプットとして残しやすい
- UMLを扱えるツールが多々あり、表現方法に悩まない
- markdownで資料作成するときに、簡単な図であればMermaidで記述できる
なお、UMTP認定はL4試験まであります。2023年度 L4試験実施要領に記載の通り本記事公開日(12/11)が2023年度の申込締切日です。AWS認定のように一気に駆け抜けようとは微塵も思えなかったので、受験できるレベルに達するようモデリングの経験を積んでいきたいです。