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アジャイル開発現場におけるTips:複数チームのチーム名

| 3 min read
Author: makiko-nakasato makiko-nakasatoの画像

はじめに

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中佐藤です。今回はお客様先での苦い経験を元にしたものです。

特に複数チームの場合に「どんなチーム名にするか」についてです。

どんな場面で使えるか

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アジャイル開発で複数チーム体制を作ることも、めずらしいことではなくなりました。
その際どんな手法を元にするかに関わらず、複数チームがいる以上、何らかのIdentifierは付けたくなるはずです。ただ、意外と落とし穴がある。その落とし穴と、じゃあどうすればいいか、についてお話しします。

前提として、コンポーネントチームではなくフィーチャーチーム、それも機能を明確に分けていないフィーチャーチームを想定しています。
コンポーネントチームや機能別フィーチャーチームの場合、担当するコンポーネントや機能で命名されることが多く、あまり名前付けに迷わないと思われるためです。

コンポーネントチームとフィーチャーチーム

コンポーネントチームとは、システムを構成する技術別にチームを分けることです。フロントエンドとバックエンドとか、アプリチームとライブラリチームとか。
それに対してフィーチャーチームは、ユーザーに提供する機能単位でチームを分けます。個人向けサービスと法人向けサービスとか。もしくは担当する機能をあまり明確にせず、チーム分けします。

アジャイル開発では一般的にフィーチャーチームが推奨されます。計画がユーザーストーリー単位であり、この単位でひとつのチームが担当して、リリースできるからです。さらに担当する機能が限定されないほうが、計画の自由度が増します。

アンチパターンとおすすめ

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アンチパターン1:順番のある名前

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今回は失敗パターンからいきましょう。最初に取りあげるアンチパターンは「A、B、C」や「1、2、3」のような、順番が明確にわかる名前付けです。普通に考えれば一番やりそうなのが、これまた問題。
なぜこれがダメかというと、この名前が「自分たちの重要度」を表しているように見えてしまうからです。そんなことはないよ、と口でいくら言っていても、そのチームに属するメンバーの心理に確実に影響しています。

最初にお話ししたように、これには苦い経験があります。あるお客様先で元々単一チームだったものを、新しいメンバーを何人か追加して、複数チームにしました。この時に何気なく「チーム1とチーム2」にしたのですが、これが後々尾を引きました。
正直なところ、実力差があるチームであったことは事実です(チーム1のほうが優秀だった)。そのため例えば、スプリント中の作業もチーム1は完了したのにチーム2は完了しなかった、ということが何回か続き、結果的にプランニング時点からより難しいユーザーストーリーをチーム1に割り当てる、ということになってしまいました。

この状態は、チーム1にもチーム2にも悪い心理的影響があります。チーム1のメンバーからすると「あいつら楽しやがって」になるし、チーム2のメンバーからは「所詮オレたち、2軍だし」という言葉が出てくるようになってしまいました。

アンチパターン2:個人名

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これはいけないということで、一旦チームを組みなおし、それぞれのチームに命名を任せました。そうすると、半分その場の「ノリ」だったと思うのですが「個人の名前」をチーム名にしたチームがありました。そのチームの中で比較的長くいるメンバーの名前だったのですが、時が経つにつれ「その人のチーム」という印象が強くなってしまいました。

誤解していただきたくないのですが、その名前のメンバーはスクラムマスターでもなく、人に対して指示するような振る舞いでもなく、どちらかと言えば「イジりやすい」人です。リーダータイプの人ではありません。にもかかわらず「チーム○○」と人の名前で呼ぶことによって、何となく「チームの代表者」ぽくなってしまい、別のチームからの問合せを一手に受けるようになってしまいました。

おすすめは

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結局どういう名前付けがいいかというと、順番付けがされておらず、個人を特定できないものがよいということになります。この制約だけ付けてあとはチーム任せでもよいのですが、一定の統一感はあったほうが「便宜上複数チームに分かれてはいるけど同じチーム」と思ってもらえそうです。そのため「何らかのカテゴリだけ指定して後はチームに選んでもらう」あたりがよさそうです。

この時、私が提案したのは「花の名前」。別の機会で人と座席のペアリングをすることがあり、その時に「花の名前」と「写真」を使ったところから思いつきました。
「色名」もいいですね。ただ、赤とか青とか意味付けをしてしまいそうな色ではないほうがよいかもしれません。マゼンタとかアクアとかちょっとひねりましょう。
外資系企業に伺うと会議室に例えば「アメリカの都市名」がついていて、なるほどと思います。ただ、国や地域、都市の名前は多少気を付けたほうがいいかなと思います。政治的な動向に印象が左右されることもあり、特に日本国内だと個人に結び付きやすいからです。例えば、偶然全員が大阪出身だったから、チーム大阪にしよう!と決めてしまったら後から大阪出身以外のメンバーは入りづらいでしょう。

みなさんのチームでは

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たかが名前ではありますが、付け方を間違えると意外とめんどうなことになるのは、クラスの命名に悩むのと同じです。特にカテゴライズするものが感情を持っている「ひと」だからこそ注意が必要。
チーム名を決める過程はチームビルディングの一環でもありますし、決めたらそれをさまざまな場面でチームIDに使えます(例えばブレイクアウトルームのルーム名など)。ここでお話したことを念頭に入れつつ、名前付けを楽しんでください。

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