プロダクトオーナーの煩悩: 「自分の頭だけで考えるな」〜試行錯誤の末たどり着いた、アジャイルな教訓〜

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失敗談

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ここ1〜2年ほど、本を読むのが苦手になりました。

以前は技術書やビジネス書、もちろんアジャイル系の書籍も毎月のように買いあさり、読んだり試したりしていましたが、それがぱったりと途絶えました。

読んだ本の内容が頭に入ってこない、すぐに疲れる...

集中力が落ちたのか、頭が悪くなったのか。あるいは2年ほど前から始めたプラモデル趣味にモチベーションを持っていかれたのか。

液晶モニターでの読書は頭に入りにくいと聞き、紙版や電子ペーパー端末を購入してみました。拡大ルーペ眼鏡も試してみました。しかし、いずれもあまり効果はありませんでした。

部屋の照明をサイズや色再現性の高いものに交換しましたが、読書には効果を確認できませんでした。(趣味のプラモ塗装は捗りました)

効果があったのはオーディオブックでした。最後まで挫折せずに聴くことができ、内容も定着しました。そして面白かったです。

どうやら、知的好奇心や頭脳は恐れていたほど衰えていなかったようです。

ーーなどと試行錯誤し、結果たどり着いた解決策は「眼鏡」でした。

もともと眼鏡はかけていましたが、ある日偶然、スマホ漫画の細かい文字が裸眼で目を近づけた方が読みやすいことに気づいたのです。

脳裏に浮かぶ「老眼」の二文字。

私は街の眼鏡屋(外資系の格安店やおしゃれ系でない、補聴器を扱っている店)に駆け込み、事情を説明しました。

初老のご店主は手際よく、度数サンプルの眼鏡と新聞のテレビ欄コピーを差し出しました。

...見える、私にも見えるぞ...

手元のスマホ漫画も試したところ、くっきりと読めます。

こうして、私の読書における課題は数年を経て無事解決したのでした。

めでたしめでたし...ではアジャイルにもシステム開発にも無関係な老眼鏡の宣伝で終わってしまうので、本題に入ります。

自分の頭だけで考えていた

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この話を社内でしたとき、同年代以上の社員は皆老眼用の眼鏡やコンタクトを使っているという話を聞けました。

眼鏡店の店主は私の困りごとや解決したい問題と、今使っている眼鏡の度数から、すぐにちょうどいい度数を割り出してくれました。

最初から聞けばよかったです。

一人で考え、調べ、試した時間は結果的に遠回りでした。

もちろん、体験から得た生きた知識は無駄ではありません。それでも、「老眼」というありふれた答えにたどり着くには、時間もお金もかけすぎました。

「自分の頭だけで考えるな」

これが今回の出来事から得た、一番大きな教訓です。

しかし、まだ問題は続きます。周囲の人たちや専門家に聞けば早く解決できると分かったところで、そもそも適切なアドバイスや議論ができる相談相手に、適切なタイミングでアクセスできたか。正直心当たりがありません。

この私の経験を、普段の開発現場に置き換えるとこんな感じです。

あるエンジニアが、未知のエラーで何時間も画面とにらめっこしている。
翌日の朝会で共有したらほかのエンジニアが一言「あぁ、それ僕も先週に踏んだ問題だから、すぐ解決できますよ」。

つまり、問題が起きてから相談相手を探すのでは、間に合わないということです。頼りになる相談相手と気軽に相談し合えるネットワークを普段から作っておくことが、本当に大事なのだと痛感しました。

まとめ

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このネットワークづくりのための具体的なアクションが、「スキルマップ」の作成・更新であり、「ご近所さんを探せ(プロジェクトコミュニティ)」のような活動です。

これらは、インセプションデッキで作ったきりにする形式的な作業ではありません。

それは、私があの日「街の眼鏡屋さん」という最短の解決策にたどり着いたように、私たちのチームがいつでも最速で問題解決の糸口を見つけるための、極めて実践的なセーフティーネット作りなのです。

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