Javaエンジニアが始めるTypeScript入門(第1回:イントロダクション)

| 3 min read
Author: masato-ubata masato-ubataの画像

はじめに

#

当記事はフロントからバックエンドまで採用率の高いTypeScriptの基本を、Javaエンジニアに習得してもらうことを目的としています。
Javaの知識を活かしてTypeScriptを習得して頂けるように、Javaとの比較を交えながら説明しています。
これを足掛かりにスキルの幅を広げて頂けたら幸いです。

Information

記事の中でTypeScriptと比較する形でJavaのコード例を掲載しています。
コード中に登場する変数名などの名称を合わせているので、それをもとに対応付けてご確認ください。

TypeScript
let sample1 = 10;
let sample2: number;
Javaではどうなるか
var sample1 = 10;
int sample2;
What's TypeScript

2012年10月1日にMicrosoftから公開されたJavaScriptのスーパーセットとなるプログラミング言語で、JavaScriptのすべての機能を包含しています。
一番の特徴はJavaScriptに静的型付けを追加している点です。
TypeScriptで書かれたコードはJavaScriptにトランスパイルされ、各種環境で動作します。
オープンソースとして公開されており、Apache License2.0で提供されています。(TypeScriptリポジトリ

コンテンツ

#

以下のようなコンテンツを予定してます。

  • 変数:let、const、var、型注釈、型推論
    • プリミティブ型:number、bigint、string、boolean、symbol、null、undefined
    • その他の基本型:any、object、unknown、void、never、enum、型アサーション、型ガード、
      スプレッド演算子、分割代入
    • 集合を扱う型:array、tuple、Set、Map
    • 特殊な型:union、intersection、literal、template literal type、object literal、mapped type、conditional type、
      index signature
  • 関数
  • オブジェクト:インターフェイス、タイプエイリアス、クラス ※作成中
  • ジェネリクス ※作成中

執筆時の環境

#

本記事は下記のバージョンのソフトウェアで動作を確認しています。

名称 バージョン
npm 10.5.0
node 20.12.2
TypeScript 5.5.4
Java 21.0.2

環境構築

#

TypeScriptの動作検証をするための環境構築手順は以下の通りです。
npm, nodeはインストールされているものとして省略しています。

  1. 各種インストール
# TypeScriptをインストール
npm install typescript
# tsconfig.jsonを作成
npx tsc --init
# ts-nodeをインストール: tscからnodeコマンドの実行を担ってくれるパッケージ
npm install -D ts-node
# ts-node-devをインストール: ソースコードの変更を検知したタイミングで再実行してくれるパッケージ
npm install -D ts-node-dev
# install rimraf: ビルドしたファイルのハウスキーピング
npm install -D rimraf
  1. 各種設定
tsconfig.json
{
  "compilerOptions": {
    "target": "ES2023", //bigintを使用する場合、2020以上に設定してください
    "outDir": "./dist", //ファイルの出力先を設定してください
  }
}
package.json
{
  "main": "dist/index.js", //実行対象のjsファイルを設定してください
  "scripts": {
    "dev": "ts-node src/index.ts",
    "dev:watch": "ts-node-dev --respawn src/index.ts",
    "clean": "rimraf dist",
    "tsc": "tsc",
    "build": "npm run clean && tsc", 
    "start": "node .",
  },
}

環境の動作確認

#

構築した環境の動作確認手順は以下の通りです。

  1. index.tsを作成して、1文記述
index.ts
console.log("Hello, World.");
  1. 起動
    コンソールにHello, Worldと表示されることを確認してください。
npm run dev:watch
  1. index.tsを変更
    コンソールにHello, TypeScriptと表示されることを確認してください。
index.ts
console.log("Hello, TypeScript.");

その他のコマンド

#

環境構築で設定したdev:watch以外のコマンドは以下の通りです。

# コンパイル&実行(1回だけ実行したい)
npm run dev
# クリーン&コンパイル(JavaScriptへトランスパイルした結果を確認したい)
npm run build
# ビルド済のリソースを実行(ビルドした結果を実行したい)
npm run start

豆蔵では共に高め合う仲間を募集しています!

recruit

具体的な採用情報はこちらからご覧いただけます。