Darkモード切替

Jest再入門 - マッチャー編

| 6 min read
Author: noboru-kudo noboru-kudoの画像

Jestはオールインワンのテストフレームワークです。
テストランナーだけでなく、各種マッチャーもJest内でExpect APIとして提供されています。
利用方法はJasmineとほとんど同じで、こちらの利用経験があれば戸惑うことはないはずです。

ここでは、よく利用するものについて筆者の独断でピックアップして、カテゴリ別にまとめます。
全てのマッチャーは以下公式ドキュメントを参照してください。

Contents

プリミティブ型の等価条件#

string/number/boolean等のプリミティブ型の値を等価チェックする場合は、toBeを利用します。

test("expect.toBe", () => {
// 以下はチェックOK
expect("foo").toBe("foo");
expect(1).toBe(1);
expect(true).toBe(true);

// 参照先の異なるオブジェクト同士の等価条件は判定できない
const foo = { foo: "bar" };
expect(foo).not.toBe({ foo: "bar" });
expect(foo).toBe(foo); // 同じインスタンスはOK
});

Jest内部ではObject.is()メソッドで値が等価であるかを判定しています。
このため、参照先の異なるオブジェクトの比較は期待通りに動作しません。

オブジェクト/配列の等価条件#

オブジェクト/配列の等価チェックにはtoEqual/toStrictEqualを利用します。
オブジェクトのプロパティを再帰的に走査して、値が等価であることをチェックします。

test("expect.toEqual/toStrictEqual", () => {
expect({ foo: "bar" }).toEqual({ foo: "bar" });
expect({ foo: "bar" }).toStrictEqual({ foo: "bar" });
expect([1, 2, 3]).toEqual([1, 2, 3]);
expect([1, 2, 3]).toStrictEqual([1, 2, 3]);
});

上記のように、toBeとは異なりオブジェクトや配列内の値でも期待通りにチェックできます。

toEqualとtoStrictEqualでは、undefinedの扱い方等でその厳密性に違いがあります。以下コードはその違いを表しています。

test("toEqual/toStrictEqual違い", () => {
class ClassA {
foo = "bar";
}

// toEqual
expect({ foo: undefined }).toEqual({});
expect([, 1]).toEqual([undefined, 1]);
expect(new ClassA()).toEqual({ foo: "bar" });
// toStrictEqual
expect({ foo: undefined }).not.toStrictEqual({});
expect([, 1]).not.toStrictEqual([undefined, 1]);
expect(new ClassA()).not.toStrictEqual({ foo: "bar" });
});

基本はtoEqualで問題ないと思いますが、厳密性が求められる場合は、toStrictEqualを使うと良いでしょう。

Information

テスト観点でないプロパティやタイムスタンプ等のテスト実行の度に変わるものは、等価条件以外でチェックしたいこともあるでしょう。
そのような場合は、Expect APIで用意されているユーティリティとしてのマッチャーを使うと便利です。

test("expectマッチャーユーティリティ利用", () => {
const obj = {
foo: "bar",
count: 10,
id: "123-456",
nested: { hoge: true, fuga: false },
array: [1, 2, 3],
};
expect(obj).toEqual({
foo: expect.any(String), // String
count: expect.anything(), // 値は何でもOK
id: expect.stringMatching(/\d{3}-\d{3}/), // 正規表現
nested: expect.objectContaining({ hoge: true }), // 指定したkey-valueが含まれていること
array: expect.arrayContaining([1, 2]), // 配列に要素が含まれていること
});
});

Truthy/Falsy#

JavaScriptのTruthy(真値)/Falsy(偽値)のチェックはtoBeTruthy/toBeFalsyを使用します。

test("toBeTruthy/toBeFalsy", () => {
expect(true).toBeTruthy();
expect(false).toBeFalsy();

expect("foo").toBeTruthy(); // 空文字以外はtruthy
expect(1).toBeTruthy(); // 空文字以外はtruthy
expect({}).toBeTruthy(); // オブジェクトはtruthy
expect([]).toBeTruthy(); // 配列はtruthy
expect(undefined).toBeFalsy(); // undefined/nullはfalsy
expect(0).toBeFalsy(); // 0はfalsy
expect("").toBeFalsy(); // 空文字はfalsy
});

よく勘違いされるのですが、toBeTruthy/toBeFalsyはboolean型の値判定ではありません。
上記のように、文字列やオブジェクト型等もその値の内容に応じて判定されます。
厳密にboolean型のtrue/falseで判定したい場合は、toBe(true)/toBe(false)を利用すると良いでしょう。

詳細なTruthy/Falsyの判定方法については、以下を参照してください。

undefined/null#

undefinedやnullをチェックする場合は、toBeDefined/toBeUndefinedtoBeNullを利用します。

test("toBeUndefined/toBeNull/toBeDefined", () => {
expect(undefined).toBeUndefined();
expect("foo").toBeDefined();
expect(null).toBeDefined(); // nullはundefinedではない

expect(null).toBeNull();
expect("foo").not.toBeNull();
expect(undefined).not.toBeNull(); // undefinedはnullではない
});

もちろん、これらはtoBe(undefined)toBe(null)等でも代用可能です。
パラメタライズドテスト等で利用する場合は、こちらを利用することが多いと思います。

配列長、文字数#

配列や文字数等のlengthプロパティをチェックする場合は、toHaveLengthを利用します。

test("toHaveLength", () => {
expect("foo").toHaveLength(3);
expect([1, 2, 3]).toHaveLength(3);
});

これらは、expect([1, 2, 3].length).toBe(3)等としても同じですが、toHaveLengthを使用した方が可読性が良いでしょう。

正規表現#

文字列を正規表現で判定する場合は、toMatchを利用します。

test("toMatch", () => {
expect("foo12345").toMatch(/foo\d{5}/); // 正規表現・部分一致
expect("foo12345").toMatch(/^foo\d{5}$/); // 正規表現・全体一致
expect("foo12345").toMatch("foo"); // 部分一致
});

3つ目の例のように、正規表現でなくとも特定の文字列が含まれているのかをチェックする場合にも使用できます。

配列要素#

配列に指定した要素が含まれていることをチェックする場合には、toContain/toContainEqualを利用します。

test("toContain/toContainEqual", () => {
expect(["foo", "bar"]).toContain("foo");
expect([{ foo: "bar" }, { foo: "hoge" }]).toContainEqual({ foo: "bar" });
});

配列要素がプリミティブ型の場合はtoContain、オブジェクト型の場合はtoContainEqualを使用します。

例外送出#

テスト対象で送出された例外をチェックする場合は、toThrowを利用します。

test("toThrow", () => {
class CustomError extends Error {}
const throwError = (message: string) => {
throw new CustomError(message);
};
expect(() => throwError("")).toThrow(); // エラーになることを検証
expect(() => throwError("")).toThrow(CustomError); // 送出したエラーの型判定
expect(() => throwError("エラー発生")).toThrow(new Error("エラー発生")); // Errorオブジェクト(messageプロパティ一致)
expect(() => throwError("エラー発生")).toThrow("エラー発生"); // messageプロパティの値
expect(() => throwError("エラー発生")).toThrow(/^エラー.*$/); // messageプロパティの値(正規表現)
});

toThrowを利用する場合は、expectの引数には値でなくテスト対象のメソッド呼出を関数でラップします。

toThrowの引数を省略すると、エラーが送出されたことのみをチェックします。
上記のように、引数には送出した例外の型やErrorオブジェクト、Errorのmessageの値を指定できます。

自作したカスタムエラー等で追加したmessage以外のプロパティをテストする場合は、従来通りtry-catchでラップする必要があります。
例えば、カスタムエラーとして追加したcodeプロパティをチェックする場合は以下のようになります。

test("message以外を検査", () => {
class CustomError extends Error {
constructor(message: string, readonly code: string) {
super(message);
}
}
const throwError = (message: string, code: string) => {
throw new CustomError(message, code);
};
try {
throwError("エラー発生", "E001");
fail();
} catch (e) {
expect(e).toBeInstanceOf(CustomError);
expect((e as CustomError).code).toBe("E001"); // codeプロパティを検査
}
});

注意点としてテストが正常に終了した場合にfail()を呼び出し、エラーが発生しなかった場合にテストを失敗させる必要があります。
これを忘れると意図せずテスト対象でエラーが発生しなかった場合に、テストが成功してしまいます。


次回はスナップショットテスト編に続きます。


関連記事


参照資料