ペアワイズ法テストケース生成ツール「PictMaster」の原型シートを使う(因子編)
前回はペアワイズ法テストケース生成ツール「PictMaster」の”原型シート”機能(水準編)について紹介しました。
前回は水準のみ変更しましたが、今回は「因子」を変更してみようと思います。
既存のテストケースに因子を追加する
#以下の例で考えてみましょう。
因子が a, b, c の3個で、それぞれが2水準の値を持っている場合を想定します。
2因子間網羅のテストケースは以下のようになりました。
テストケース数は合計4個でした。
次に、因子d(2水準)が追加になった場合を考えてみます。
これまで通りの方法で2因子間網羅のテストケースを生成します。
生成されたテストケースは以下のようになりました。
テストケース数は合計5個でした。
前回は因子に変更がなかったので、既存テストケースをそのまま原型シートにコピーして使用できました。
しかし、因子が追加になっているので既存テストケースをそのまま使用することができません。
原型シートに予め因子を追加したテストケースを割り当てる
#「環境設定」にて、「原型シートを使用」にチェックを入れて「OK」を押します。
因子・水準を定義したシートの右隣に新しいシートを作成します。
(PictMasterの規約で、必ず右隣に新しいシートを作成する必要があります)
作成した新しいシート(Sheet2)に、先に生成したテストケースをコピーしておきます。
しかし、このままでは因子dが存在しないので、実行するとエラーになってしまいます。
因子d列を追加する必要があります。
既存テストケースに因子d列を追加しましょう。
この時、水準は未設定で構いません。
原型シートを使用して2因子間網羅のテストケースを生成します。
生成されたテストケースは以下のようになりました。
テストケース数は合計6個でした。
原型シートを使用しない場合のテストケース数は5個でしたが、今回は6個になっています。
もう一つの違いとして、テストケースの上位4個のa,b,c列と、原型シートに記述したテストケース4個と比べてみます。
今回作成したテストケース6個のうち、上位の4個のa,b,c列(上図の赤字で示した部分)は原型シートに記述したテストケースと同じものになっているのがわかると思います。
前回は水準のみ追加しましたが、今回のように因子を追加する場合でも原型シートを使ってテストケースを流用することができました。
因子が追加になっているのでテストの回数を減らすことは出来ませんが、既存のテストケースの組み合わせを変更することなく、新しい因子分を追加するだけで対応できます。
まとめ
#「原型シート」機能を使うことによって、既存のテストケースを流用して、少ない変更でテストケースを追加生成することができました。
PICTには他にも色々なオプションが用意されていて、PictMasterから利用可能です。
次回も別のオプションを紹介していきたいと思います。
ソフトウェアテストに関する技法やテクニックをまとめています。
テストに活用していただければ幸いです。