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ユーザー部門のあなたに送る - 「『情シスはテストしたのに…』と言わせない!クマに学ぶ“ユーザーテスト”のホントの意味」

| 3 min read
Author: masato-onodera masato-onoderaの画像

これは豆蔵デベロッパーサイトアドベントカレンダー2025第19日目の記事です。

こんにちは&はじめまして、教育グループのやさぐれ豆ぱんだこと、おのでらです。

ユーザー部門(ビジネス部門)の皆様、ユーザーテスト(受け入れテスト)の依頼が来るたびに、正直、こう思ったことはありませんか?

「情シスがちゃんとテストしたはずなのに、なんで私たちが改めてテストしなければいけないの?」

忙しい業務の合間を縫ってのテスト作業。「バグがないか確認するだけなら、プロである情報システム部門(以下、情シス)だけで完結してほしい」「これって二度手間じゃないの?」
……そう感じてしまう気持ち、とてもよく分かります。

しかし、実は 「皆様がやらなければならない、代わりのきかない理由」 があるのです。

その理由を体感していただくために、少しだけ 「2つのチェック」 にお付き合いください。

チェック1:間違い探し

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まず、以下の2つの画像を見比べてみてください。
「クマの設計書と完成イメージ[1]」と、それを元に「実際に作られたクマの完成品(成果物)」です。

クマの設計書と完成イメージ
(↑クマの設計書)

クマの完成品(成果物)
(↑クマの完成品(成果物))

この2つを見比べて、違う箇所を探してみてください。
「ここが違う」「あそこの色が違う」……いくつか見つかりましたか?

見つかった方は、どこが違うか心の中でメモしておいてください。




チェック2:目的の確認

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では次に、全く別の視点で考えてみてください。
そもそも、この「クマ」は何のために作ったのでしょうか?

実は、以下のような要件(目的)があったとします。

【目的】
会社の受付に置き、来訪されるお客様からの「会社の好感度」や「知名度」を上げるためのマスコットを作りたい。

この目的を聞いた上で、改めて先ほどの「ブロックのクマ」を見てください。
そして、 「これを自社の受付に置くべきかどうか」 を判断してみてください。

いかがでしょうか?



  • 「おもちゃのようなブロックを受付に置くのは、会社のイメージに合わないのでは?」
  • 「好感度を上げるという目的には、もっと洗練されたデザインの方がいいのでは?」
  • 「なぜクマなの?というかパンダだよね?頼んでないクリスマスツリーもついてきてるよね?」
  • 「いやいや、ウチもうマスコットキャラクター居るし」


おそらく、多くの人が 「この目的には適していない」 と感じたのではないでしょうか。


ここで種明かし:2つのテストの違い

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さて、皆様には今、2種類のチェックを行っていただきました。
実はこの2つが、そのまま「情シス」と「ユーザー部門」の役割の違いを表しています。

1つ目のチェック=「システムテスト(情シス)」

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最初に行った「間違い探し」は、 情報システム部門が実施する「システムテスト」 です。
これは「元々の設計書と見比べて、設計書通りに正しく作られているか」を確認する作業です。

情シスは、設計書通りにブロックが組まれているか(バグがないか)は完璧にチェックできます。しかし、それが「受付に置くのにふさわしいか」までは判断できません。

2つ目のチェック=「ユーザーテスト(皆様)」

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次に行った「目的の確認」こそが、 皆様、ユーザー部門の皆様が実施する「ユーザーテスト」 です。

ユーザーテストで重要なのは、設計書通りかどうかのチェックではありません。
「要件定義で挙げた課題(好感度アップ)が本当に解決するのか」「このシステムは今の業務や目的に適しているのか」 を確認することです。


ちなみに「間違い探し」の箇所は
  • 口の色がピンクじゃなくて赤
  • 体の色が茶色じゃなくて白黒(≒クマじゃなくてパンダ)
  • 舌が長い
  • 左耳が長い
  • 設計書に無い「クリスマスツリー」が作られている(誰だ、途中で要件追加したのは!?)

まとめ:だから、皆様の「視点」が必要です

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1つ目のチェックで「設計通り完璧なクマ」ができていたとしても、2つ目のチェックで「受付にはふさわしくない」と判断されれば、ビジネスとしては失敗です。

そして、「これは受付に置けないな」と判断できるのは、普段その業務を行い、顧客と接している ユーザー部門の皆様だけ なのです。

「情シスがテストしたのに……」と感じることもあるかと思いますが、これからのユーザーテストでは、ぜひ 「業務のプロとしての視点」 を大切にしてください。

「バグを探す」のではなく、 「このシステムは、私たちの仕事を本当に良くしてくれるか?」 という視点で触っていただくことが、プロジェクト成功の鍵となります。

お知らせ

今回ご紹介した「クマの事例」は、 ユーザー部門向け研修 でお伝えしている内容のほんの一部です。

この研修では、単なる「テストの手順」や「要件定義のコツ」といったテクニック論ではなく、

  • なぜ、ユーザー部門がプロジェクトに関わらなければならないのか
  • なぜ、情シス任せではプロジェクトが失敗するのか

という 「本質的な役割と責任」 について深く掘り下げて解説します。

「システム導入のたびに『やらされ感』を感じている」というユーザー部門の方はもちろん、
「ユーザー部門にもっと当事者意識を持ってほしい」と感じている情報システム部門の方 にも、ぜひご覧いただきたい内容です。

お互いの「視点」を合わせ、プロジェクトを成功に導くために。
詳細は以下のリンクからご確認ください。

研修の詳細・お申し込みはこちら



  1. ※本記事の画像作成には、ヨシリツ株式会社の知育玩具「[LaQ(ラキュー)]」を使用しています。

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