ペアワイズ法による組み合わせテストケース生成ツール「PICT」の紹介
先日のブログにて「ペアワイズ法」をご紹介しました。
その記事では組み合わせテストケースを作成する際に「PICT」というツールを使いました。
今回はペアワイズ法による組み合わせテストケース生成ツール「PICT」をご紹介いたします。
PICTとは
#PICT (Pairwise Independent Combinatorial Testing tool) はMicrosoft社が開発したペアワイズ法による組み合わせテストケース生成ツールで、フリー(無償)で利用することが出来ます。
PICTは、複数因子の組み合わせテストケースを効率よく生成することができ、様々なオプションが用意されている高機能ツールです。
今回はインストール方法と簡単な使い方をご紹介します。
インストール
#サイトからPICTをダウンロードします。
2022/07/14時点の最新バージョンは 3.7.4 でした。
ダウンロードするファイルは「pict.exe」(windows版の場合)1つで大丈夫です。
MacOSやLinuxで利用する場合にはソースコードをダウンロードしてビルドすれば使用することができます。
pict.exeをダウンロード(もしくはダウンロードしたソースコードをビルド)し、任意の場所に格納すればインストール終了です。
フォルダに配置すること以外の登録作業は特に必要ありません。
任意のフォルダからPICTを利用したい場合は環境変数にPICTへのパスを登録してください。
使用方法
#PICTの詳細な使用方法はこのサイトに掲載されています。
ここでは簡単なサンプルを定義して実行してみましょう。
「sample.txt」というファイル名のテキストファイルを作成します。
そのテキストファイルに、左から「因子名」を書き、コロン「:」で区切った後、「水準名」をカンマ「,」で区切りながら追記していきます。
前回使用したサンプルをそのまま使ってみましょう。
組み合わせに使用する例題を以下とします。
・OS (Windows, Linux, MacOSX)
・ブラウザ (Firefox, Chrome)
・Java (バージョン8, バージョン11)
作成するテキストファイル(sample.txt)は以下のようになります。
OS: Windows, Linux, MacOSX
ブラウザ: Chrome, Firefox
Java: 8, 11
コマンドラインにて、PICT(実行ファイル)の引数に先ほど作成したテキストファイル(sample.txt)を渡してPICTを実行します。
pict sample.txt
実行すると以下のような結果が出力されました。
実行結果
OS ブラウザ Java
Windows Firefox 11
Windows Chrome 8
MacOSX Firefox 8
Linux Chrome 11
Linux Firefox 8
MacOSX Chrome 11
出力結果はタブ文字区切りなので、TSVファイルとして保存してExcel等で開くことが出来ます。
先日のブログで紹介したものと同じ組み合わせテストケースを得ることが出来ました。
まとめ
#ペアワイズテストサイトにてペアワイズ法を利用できるツールが紹介されています。
筆者はPICT以外のツールをあまり知らなかったのですが、非常に多くのツールが提供されているようです。
その中でもPICTは、有償ツールに引けを取らない非常に高機能なツールで、PICTさえあればペアワイズ法には困らないとさえ思います。
PICTには様々なオプションが用意されていて、制約や重みづけなどにも対応しています。
次回はこのPICTをGUIから利用できるようにした便利ツールをご紹介したいと思います。
ソフトウェアテストに関する技法やテクニックをまとめています。
テストに活用していただければ幸いです。